紫が光る 第04回 女流・・・の時代

作 文聞亭笑一

まひろと、道長の出逢いが・・・物語の伏線として描かれていきます。

それはそれで・・・興味をひくことではありますが、歴史解説というか、追いかけをする者にとっては困ったことです。

毎週のネタに困ります。今週など・・・特に困っております(笑)

女流作家の全盛期

紫式部が活躍した時代は、多くの女流作家や、女流歌人が活躍した時代でもありました。

先週の番組で登場した赤染衛門もその一人ですが、高校の古文か、日本史教科書に載っていて受験勉強で覚え込まされた作者、作品が数多くありますね。

受験勉強で覚えたことは、受験が終ったとたんに、綺麗さっぱりと忘却の彼方に捨ててきたと思っていましたが・・・大脳の奥の方には記憶として残っているようです。

そのくせ・・・最近のことは忘れます。

昨日の会合で名刺交換した人の顔が思い出せません。

顔は覚えていても名前のわからない人も・・・認知症予備軍ですね。

テレビは西暦990年頃の京都を描いていますが、この頃から女流作家・歌人が続々と登場します。

受験勉強で暗記する対象の方々が活躍を始めます。

紫式部(まひろ)と同時代の女流作家、作品、概要を下表に掲載します。

赤染衛門

先週の番組では、女優の黒木華が演ずる源氏の姫・倫子の家庭教師として登場しました。

赤染衛門の百人一首の歌は知っていましたが・・・紫式部の青春期に出会いがあったとは知りませんでした。

そもそも・・・名前からは「男ではないか?」と思ってしまいます。

赤染は公家の、藤原の一党で、その父が「衛門」・・・つまり御所の門番役だったという事を表します。

紫式部にしても、清少納言にしてもこの時代は女性の名前・本名を「記録しません」

紫式部の場合は、父親が苦労の末やっと、式部省の役人として任官したことから「式部の女(娘)」と呼ばれるようになり、「源氏物語のヒロイン・紫の上」と重なって紫式部と呼ばれたのでしょう。

赤染衛門は朝廷の主流女性の教師として尊敬を受けたようです。

紫式部は当然、清少納言や和泉式部、伊勢大輔などとも親交があります。

ちなみに源倫子(黒木華)は道長の正妻になります。

百人一首に載った赤染衛門の恨み節

やすらわで 寝なましものを小夜更けて かたぶきまでの月をみしかな

あなたが来ないと言うから寝ようとしていたのに、「来る」と言うから待っていた。

いつまで待っても来ないじゃないの・・・もう、夜明けも近い。

は勿論ですが、

息子の病気回復を願った歌

代わらむと 祈る命は惜しからで  さても別れのことぞ悲しき

<お願いです。

私の命と引き替えに息子の命を永らえてください、住吉の神様お願いします>

なども、彼女の有名な歌です。

平安時代の平安の条件

平安時代の政治的安定を支えてきた基盤は何だったのでしょうか。

日本国、ヤマトの建国時代に朝廷、天皇家を支えてきたにはヤマトの豪族である葛城、平群、蘇我、物部、海部、大伴などの豪族達でした。

彼らが宗教的権威としての天皇家を祀りあげ、自分たちの経済基盤を確保してきました。

平城京以降に、これらの有力豪族を次々に排除し、天皇家をこの国の最高権力者にと祀りあげ、その天皇家と血縁を結ぶことで、藤原一強の公家社会を作り上げたのが藤原一族です。

対立する別の勢力がありませんから、戦争の火種がありません。

経済が成長して、人口が増えると疫病が流行して成長を止めてしまいます。

戦、戦争・・・と言うのは、いつの時代にでも発生する流行り病のようなものです。

プーチンとウクライナ、パレスチナとネタニヤフ・・・論理の世界を越えてしまいます。

私を含めて現代の、平和呆けした日本人は「人命ほど尊いものはない」と信じていますが・・・、「大義のために死ぬ」というのが・・・もしかすると世界標準かも知れません。

イスラムの教えも、共産主義も、キリスト教も・・・主義主張のために戦争を厭いません。

仏教も同じで、戦国時代の日本で社会を混乱させたのは一向宗、浄土真宗でした。

宗教家は「信じるものは救われる」と言いますが「信じるものは論理の外」話し合いの席に着きません。

国連の安保理でのロシアのラブロフ外相・・・言いたいことだけ言って退席しています。聞く耳を持ちませんから安保理も議論になりません。